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【小説】千里眼の死角 はバカ

千里眼の死角 / 松岡圭祐
85 点

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バカなんですよ。この作品は。
というかこのシリーズ全部バカ。
これを読んで、このシリーズは相変わらずとんでもない小説だなと思い知らされました。よろしくお願いします。

物語は、ある王女が何かに酷く怯えて部屋に閉じこもって出てこない。ということで、天才カウンセラー嵯峨が精神的治療の依頼を受けるところから始まる。
なんか外に出たら殺されるとか50マイルで移動し続ければセーフとか言っててこりゃ頭おかしいということで何とかしてくれると思いきや、「いーや、この人の言う通り50マイルで移動し続けるのだー」って言ってカウンセラーもおかしいんだねってなってお帰りくださいってなって無理やり王女を外に連れ去って誘拐だーってなって爆発して危ないところだったー!みたいな感じです。
で、それは人工知能を持った人工衛星が宇宙から我々を狙っていて、我々はルールを逸脱した時点で宇宙からレーザーが飛んできて抹殺される社会になってしまった!みたいな感じ。

めちゃくちゃでしょ。
でも、流石にこれは草wwwwwwwwwとか思ってる場合じゃないんです。

何が恐ろしいってこの小説、シリーズ七作目なんです。
このシリーズ毎回こんなことやってるんです。
なのに一話完結じゃなくて全部ストーリー繋がってるんです。天才でしょw

最初はミステリー小説として読み始めたはずだったのに、いつの間にかトンネルで数百人規模のバトルロワイヤルやらされたり、中国人全員を洗脳したり、どんどんめちゃくちゃになってるんです。
これがすごい。
しかもこれ、ファンタジーでもSFでもなく、普通の、ごく普通のミステリみたいな顔して売ってるんですよ。やばすぎ。
そのやばさこそこのシリーズの一番の面白さだと思います。

っぱ普通のミステリじゃ満足出来ねーよなあ。
そして誰もいなくなった」も、読んだ感想は「なーんだ、犯人がいるんじゃん」だったし。
このシリーズはもうプロットだけでも満足です。しかもこのシリーズはかなり長めでまだまだ続きます。作者は本当に天才だと思う。いやー次回も楽しみだなあ。

ちなみに中身はメイドインワリオみたいな感じです。